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第3回ショートショートバトルレポート





■3度目の正直




どうも最東です。




今年2月にはじめて開催されたショートショートバトルですが、早いもので3回目となりました。




僭越ながら皆勤の私ですが、当初は実に実験的で手探りの回でした。




オーガナイザーである我孫子武丸さんは、「こんなルールが成立するのか疑問だった」と述懐します。




思えば、数々のルール無用の残虐ファイトがありました。




第一回では木下昌輝さんがまさかのダジャレスタート。そして、ここで登場した『サイトウタイチ』は、すっかりショートショートバトルでのネタ扱いとなりました。戦犯は木下さんではなく川越宗一さんですが。




第二回。この回は色んな革命とうか伝説というか、なんにせよむちゃくちゃながら挑戦的で冒険的な試みが生まれた回です。チーム泉州のラノベ×ラノベ×時代の初出場チームがセンセーショナルな爆弾をぶっぱなし、最東がまさかのSFロボものを投下したかと思えば川越さんのチームの枠を超えたスーパーアクロバティックなプレイ。我孫子さんに「これ以上の手(手段)はもうでないんじゃないか」と言わしめました。




そして、きたる第三回ショートショートバトル。奇しくも前回と同じ10名での変則マッチとなりました。今回はエンペラー川越氏、誉田龍一さんが欠場。その代わりにチャットノベルアプリ『peep』で大活躍中の大友青さんと島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞された稲羽白菟さんが新たに参戦。「これ以上はなにもでてこない」とまで我孫子さんに言わしめた波乱の第3回が行われたのです。




■チャンピオン無き戦い




ショートショートバトルというイベントですが、読んで字のごとく作家がチームを組み、「ショートショートで戦う」という趣きのイベントです。




各試合で勝敗はつくものの、時間の関係もあり基本的に決勝戦らしきものは行いません。




時間が長くなりすぎてしまうという欠点もあるし、なにより作家が疲れてしまうのです。




一試合が最低90分かかるので、2回戦に控えている作家さんの体力は消耗してしまう……という配慮もありつつ、幻の決勝戦は決勝のまま……




要は「全大会通してチャンピオン不在」のイベントなのです。




初戦は円城寺正市さん、延野正行さんの『チーム泉州☆ザ☆リベンジ』と水沢秋生さん、木下昌輝さんによる『チーム水沢木下』の対戦。




ぶっ飛ばしすぎた円城寺さん、さすがはしっかり書き上げる木下さん。注目の後衛陣は偶然にもどちらのチームともに『先鋒が書いた前段を投げる』というわざを見せました。




勝者は『チーム水沢木下』。買った後は殺人者の貌をしていました。




2回戦は我らがファロッペ、今村昌弘さん、初参加稲羽白菟さん。vsこちらも初参加大友青さん、遠野九重さん、最東です。




「へへ、燃えたろ?」




「これは『嘘』を吐いてる味だぜェ~!」




「汚物は消毒だあ~!!」




「インスタンス・アブリアクション!」




「こんなの絶対おかしいよ!」




「空が……落ちてくる!」




「愛徳の仲間ぁ~?!」




という感じの熾烈な争いが繰り広げられ、会場のパームトーンにいた観客はみんな戦いに巻き込まれて死にました。(たぶん)




接戦の末、最東のチームは完敗。ファロッペの耳に溶けた鉄を流し込むという凄惨極まりない罰を受け、煮え湯を飲まされたのでした。




■課題




さすがに3回目となればみんなこなれたものです。




初参加の作家さんも大活躍で、「ひとり30分の持ち時間で決められたタイトルとお題で3人で一作のショートショートを書く」というドSルールをものともしない健筆っぷり。




これはもう最東は引退するっきゃないな!と思いました。(怒られたし)




というのはもちろん、冗談ですが次回はもしかすると大変なサプライズがあるかもしれません。本決まりでもないのでアナウンスはできませんが。




現在、ショートショートバトルは京都木屋町イベントスペース『パームトーン』でしか行われおりませんが、東京や名古屋、九州、北大阪など様々な土地で波及してほしいな、と思います。




非常に面白く、白熱する全く新しい「ノベルバトル」のカタチ。




ネット放送局とかが目をつけて大ブレイクとかしてくれたら、私はなにくわぬ顔で企画者のひとりの振りをして荒稼ぎしたいという野望を持っています。




お金!お金ほしい!(ビビビの硫酸男)




さて、肝心なショートショートバトルの中身ですが今後の課題も段々と浮彫になってきました。




同じメンバーが集まりがちなため、内輪ネタが横行しつつあることがひとつ。(おそらく次回はこの手法はもうでないと思いますが)




あともうひとつは、参加作家の増員でしょうか。




言い始めればまだまだキリがないんですが……(時間の問題、配信媒体・形態の問題)




それらも回を重ね、反省を生かしつつよいものになればいいなぁ……と思います。




それと今回、大友青氏の参戦はなにげに重要な要素だったような気がします。




シナリオライターという、我々商業作家とはまた少し違った立場での参戦でありながらすんなりと30分で書き上げました。




もちろんクオリティの高さを担保しつつ、です。




それともうひとりの初参加者、稲羽白菟さん。初参加なのに大アクロバティックな大回し。まさかの手法でありながら、実はそこまで無茶苦茶をやっていない……実にテクニカルで新しいものを見せてくれました。




「もうやりきった感がある」とオーガナイザーの我孫子さんはおっしゃいましたが、まだまだ可能性があるようです。




次回ショートショートバトルは10月頃になる、とのこと。




是非ご期待ください。




最東対地




※第3回ショートショートバトルの模様はこちら









※各チームの短編はこちら




ショートショートバトルVol.3〜「夜明けの月に」東軍(円城寺正市、延野正行)




ショートショートバトルVol.3〜「夜明けの月に」西軍(木下昌輝、水沢秋生)




ショートショートバトルVol.3〜「窓辺のゼンマイ時計」東軍(大友青、遠野九重、最東対地)




ショートショートバトルVol.3〜「窓辺のゼンマイ時計」西軍(尼野ゆたか、今村昌弘、稲羽白菟)



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