なぜ人は年齢を重ねると眼で見えないものを信じないか
■事実は小説より奇なり
どうも最東です。
こうやって毎週、オカルティックな話やホラー小説など人の英知の範囲では理解できない不思議な事を書いてますが、
世界の事件や人間の悪意のほうがその数段恐ろしいのだとニュースなどを見ていると特に思います。
例えば、私が小説を書く際に立てるプロット(企画・原案)を考えている時など、世にも恐ろしい拷問や事件、猟奇的なものをいくら閃いたとして、
実際に起こった事件・事象のほうがどれほどおぞましいか。
その中の一つが女子高生コンクリート殺人や、愛犬家連続殺人事件であり、かの有名宗教団体が引き起こした地下鉄サリン事件などもそうです。
【事実は小説より奇なり】、小説家として生きようとする今、なによりもその言葉が私に立ちはだかるのです。
事実は小説より奇なり……創作である小説よりも奇妙なことが起こる現実が、今日もこの身を焦がし、嫉妬と羨望、絶望と希望を往復しているのです。
些細なことで一喜一憂、これだから人生は簡単に降りられませんね。
■曖昧な記録鮮明な記憶
さて、みなさんは子供の頃、不思議な体験をしたことはありませんか。
大抵の方が幼い頃に不思議な体験をしています。
ですが、なにぶん幼き日の事ですので、誰もが自分自身のその記憶ですら疑うのです。
「子供の時のことだからきっと気のせいだろう」
そんな風に思っていませんか。
大人になってからの時間の経過は、体感的に早く感じます。
ですが子供のころ……そうですね、高校生くらいの頃までは時間が長く感じた物です。
一説では、この幼少期と青年期の体感時間の違いがどこからくるものか、こう仮説が立てられています。
子供は知らないものと出会う機会が多い。つまり感動が多いから日々が長く感じられる。
大人は目に映るもの、出会う物、それらはみんな『知っているもの』であるために無感動になるため時間が早く感じる。
大人になっても感動はしますし、新発見することなどはたくさんあります。
ですが、確かに子供の頃の感動とは質が違うのかもしれませんね。
あなたは今、時間をどんな速度で体感しているでしょうか。
さて、子供にはまず常識がありません。
ですから、人間が空を飛べないことや猫が二本足で歩けない、なんてことは分からないのです。
そのため、私達が出会ってしまい驚くような出来事ですら、それが『超常的なものであること』に気付かず、その純真な瞳と心で素直に受けて止めてしまうのです。
私達が見えなくなってしまったものの理由は、もしかしたら『常識のフィルターを通してしまっている』からなのかもしれません。
では、そのフィルターが無かった頃の自分をおもいだしてみましょう。
■壁についた大きな目
ではここで私の子供の頃の曖昧な記憶を話そうと思います。
子供の頃、それこそ3歳か4歳くらいでしょうか。
現在では悲しいことにその10倍ほど歳を取ってしまいましたが……ごほん、それはそうとして、そんな小さい頃の記憶です。
もちろん、それだけ小さな頃の記憶ですからこれから話すことが一体どこで、いつ出会ったものなのか覚えていません。
ただ、こんな記憶があるのです。
私は母親に手を引かれて田んぼの脇を走る道を歩いていました。
母親の繋いでいないほうの手には買い物カバン……ビニール袋だったような気がします。
それを下げていました。
その日はとても晴れていて、二人でお揃いの麦わら帽子をかぶっていました。
田んぼを往くと、右手に森があり、トトロのあれのようなノスタルジックな情緒があります。
その森を横目にもう少し歩くと、森に神社の赤い鳥居があり、鳥居の横には灰色のブロックを重ねた大きな壁(塀?)がそびえ立ち、私を見下していました。
今思い出すと、子供の頃の私には大きく感じたその塀も母親と同じくらいの背丈だったような気がします。
鳥居は石段の階段が奥に伸びており、神社の社は望めません。
その神社に私は立ち入ったことはありませんでした。
理由は暗くて怖かったからです。
私は、奥に入るのも怖かったのですが、その神社の前を通ることも嫌でした。
それには理由がありました。
その灰色の塀は、母親の身体と同じくらいの大きさの大きな眼球があったからです。
その眼球は、私が近づくと瞼を開き、黒い目がゆっくりと私を追うのです。
私はその度に母親の服をぎゅうっと強く掴むと、硬く目を瞑って通り過ぎるまで我慢していました。
たったこれだけです。
たったこれだけの記憶が、微かに私の中にありました。
大人になってあれはただの気のせいだと思うようになりましたが、……実際はどうだったのでしょう。
自分が現在、ホラーに携わっているため、あれが本当に子供の頃の曖昧な記憶だったのか自身がなくなってきました。
そして、私が7歳の時はっきりと覚えている奇妙な出来事が起こるのでした。
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