【不可解】時空のおっさん事件 / 怪奇夜話 / ヴォイニッチ手稿②
◆増殖する謎
どうも最東です。
前回、【解読不可能の手記】として、ヴォイニッチ手稿を御紹介しました。

当然ですが、それ単体でも十分不可思議な出来事です。
解読不能の手記が存在する。
その存在は、思わぬところで繋がることもあるようです。
◆昼下がりにSFな体験した
インターネットを知る者ならば、その誰もがしっている某巨大掲示板。
ここのとある板に、一つのスレッドが立てられます。
【昼上がりにSFな体験した】
とタイトルが付けられたその掲示板の主は次のように語り始めました。
“姉が注文したamazonの商品が届いた。ハンコを押して戻ったら段ボールが無くなっていた”

といったどちらかというとどうでもよい内容でした。
しかし、体験した本人はというと、急に消えた荷物に戸惑い気を落ち着かそうと
顔を洗ったりしたそうです。
彼は、この記事の中で段ボールが無くなったことを「視界の中の色が減った気がした」
と語っており、その違和感と現実に起こった出来事にひどく動揺したようです。
そしてもう一つ不可解なことにスレ主は気付きます。
家にいたはずの姪と祖母がいない。
そうしている内にも彼の視界の色は褪せてゆき、すっかり色彩の薄い世界に立たされました。
ここで無意識に一つの仮説が彼の頭で立てられました。
『段ボールや祖母、姪がどこかへ消えたのではなく、自分がどこかに飛ばされたのではないか』と。
段ボールを受け取った時刻は13時過ぎ。
彼は自分が異質な空間にいるのかを確かめようと、色の薄い自宅で時計を探しました。
時計は、彼の知る場所に知る形でちゃんと存在し、違うのは薄い色だけ。
その時計に表示された数字を見て彼は恐ろしい気持ちになります。
【8月88日 38:33】
身の回りに明らかに異変が起こっているのを確信した彼はとにかく誰かに助けを求めようと、
携帯電話で連絡を取ろうと試みますが、
その画面には【NOT BONSTE】という意味不明な表示。
見たことのない表示と、知らない英単語に硬直していると彼が眺めるその前で
着信音が鳴り響きます。
◆時空のおっさん
発信元が表示されない電話に恐る恐る出ると、妙な男が出ました。
「今から男性一人がそちらに向かいます。そちらでお待ちいただけますか」
「はい? あの、どちら様……というか何ですか? 誰ですか、家が分かるんですか?」
「家? ……大丈夫です。すぐに行きますのでお待ちください」
そこで電話を切った彼は、この妙な会話のことを思い浮かべていました。
どうなっているのかを調べようと、自宅の固定電話のある居間へ行こうとしたとき
「おい」
その声にぎょっとして振り返ると、玄関を半分開け、ドアから半分体を出した男が立っていました。
その男は薄い色の作業着を着て、30代くらいのスマートなシルエットだったそうです。
この男は、スレの住民によって【時空のおっさん】と名付けられました。
その男は土足で上がりこんでくると、彼の元まで歩み寄り以下のように言います。
「今からあなたを元居た場所に帰します。しかし、そこがもしあなたが居た場所でなくとも、
そこからあなたが移動する術はありません。
最善を尽くしますが、常にそれを御留意した上で転送いたします」
男は妙な小型の機械を取り出すと、手元でそれを操作しました。
機械は、電話の子機のような形で、小さな風車のようなものがついていたそうです。
そして、その風車の中央には人の顔のような装飾があり、かなり気持ちが悪かったと記憶したいる、とのこと。

すると、家の呼び鈴が鳴り玄関を開けると元の色彩に戻った世界にいました。
◆時間旅行をしていた?
元の世界に帰ってみると、荷物を受け取った日からまる一日が経過していた。
届いた荷物は、ちゃんと自分が受け取ったことになっていたけれども、
その荷物はやはり存在しない。
不思議な体験をしたと、スレ主の彼は少し呆けた様子で淡々と語りました。
しかし、それからしばらくして再び時空のおっさん関連のスレッドが立つことになります。
【次回更新へ続く】
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