怪紀行青森・歪な町おこし 木造駅土偶 うねる龍の赤鳥居 高山稲荷

■千本ないけど千本鳥居
どうも最東です。
青森といえばりんご、りんごといえばハイヒール、ということでせっかく青森に来たのだから、本場の味を楽しもうと思ったのですが、季節外れだったのかりんご畑ばかりたくさんあって、どこに行ってもりんごはありませんでした。
ショック!
青森というだけで、信楽のたぬきばりに(過去記事参照)ちょっと歩けばりんご、寝ても覚めてもりんご、という感じかと思っていました。疑うべきは固定観念!!
りんごの亡霊に取りつかれた私たちは、次なる目的地『高山稲荷神社』へとやってきました。



高山稲荷神社にはなにがあるかというと、千本鳥居です。
あらかじめリサーチした内容によると、千本の鳥居がずらりと並び、小高い丘から見下ろすとさながら龍神が躍動し、うねるかのように見えるというのです。
えー、ほんとかなぁー!
ほんとだといいなあー!
と期待に胸を膨らませてやってきました。
6月の梅雨入り前に訪れたので、青森といえど緑の季節。運よく快晴だったこともあり、鳥居の鮮やかな赤がとても映えます。
鳥居の赤いトンネルを行きながら、最後まで行くと丘になっており、今通ってきた鳥居が見下ろすことができます。













確かにきれいだ!うひょー!!
最東は大興奮!まさにネットで調べた通りの景色がそこにあったのです!!
しかし、そんな大興奮の最東に水を差す無粋な輩がいました。
そう、同行したMOCCHANです。
「これ絶対千本ないよな」
「……」
「俺ら関西の人間は伏見稲荷知ってるから、このくらいやと別になんも思わんよな。けけけ」
なんだとう!?
最後の『けけけ』が最東の脚色だったとしても、聞き捨てならねえぜその言葉ァ!!
確かに、我々大阪や京都住み……特におけいはん(京阪電鉄に生活を依存している民)勢にとっては、かつて海外観光客からの日本の観光スポットナンバーワンの座をほしいままにしたこともある京都伏見稲荷大社があるさ!
あそこは千本どころか万本くらいあんじゃねえの?ってくらいあるさ!もう、ちょっと歩けばすぐ鳥居で、むしろ伏見稲荷大社にいけば鳥居へのありがたみは確実に薄れるさ!!
けど、けどね?
そんなところと比べちゃあだめだと思うんだ。
ちゃんと数えてないけど、高山稲荷だって千本あるはずなんだ。そんな、見た目だけで千本も鳥居があるとかないとかうんぬんかんぬん……
とはいえ、私たちが訪れたのは新緑の季節ですが、青森だけあって冬は雪景色の中に真っ赤な鳥居が映える、ここだけのスポットに変貌します。やはり冬こそ本領発揮に決まってます。
ええ、ええ、そうですとも。
■なぞの展望台
さて、高山稲荷の千本鳥居。とても素晴らしい景色をごちになりました。
ここ高山稲荷の地理はちょっと変わっていて、千本鳥居に行くには階段を上り、そして下りる必要があります。もともと隠されていたのか、すっといけないよう試練が用意されているところがなんだか、ありがたいものな感じがしてご利益がありそうです。
階段を上がったところには神社と祠があり、そこに参拝してから千本鳥居のある稲荷神社へと行くわけですが、その階段の手前に高山稲荷神社の案内図があります。
それによると駐車場の手前に『展望台』と記載されていました。








なるほど。駐車場の手前という謎の立地は、この千本鳥居をさらに絶景の角度から見下ろすことができるんだね姉さん。
そう思い、またまた期待にドキを胸らせ、MOCCHANとともに行きました。
しかし、そこには変わった形の展望台? がありました。なんともいえない、どっかの美術家がデザインしたっぽい、帆船のレリーフがあしらわれたむしろちょっと殺風景なコンクリ建築。






一瞬、間違えたかと思いましたがほかに展望台らしきものはないので、とりあえず上ってみることに。
「おお~っ!」
そこに待っていたのは、山とまばらな民家、そしてまったいらな海!
驚嘆に値するほど、なんてことのない景色!
ってかおい、千本稲荷はよ!!
この展望台はその昔、七里長浜沖合でチェスボロー号という米国貨物船が遭難した際、地元住民が決死の救助を行ったのですが、大半の乗組員が亡くなってしまい、その慰霊として造られたそうです。
ふむ、なるほどなるほど。つまり高山稲荷はまったく関係ないのね。
千本鳥居がいちミクロンも見えない理由も納得☆
(合掌)


■木造駅の土偶
つがるの木造駅、とだけ聞いてもピンとこないひとは多いと思います。
かくいう私もそうでした。
しかし、木造駅の映像を見てみると「アッー!見たことあるコレェー!」となる人も多いのではないでしょうか。
木造駅は、ナニコレ珍百景や、各メディアでたびたび取り上げられたことがある、いわゆる珍スポットです。
なにかといえば、駅(しかもJR)に巨大な土偶がそびえたち、それだけでなく夜になると目が光るというのです。(なぜ)

そういえば、土偶と言えば縄文時代とかでいう超グラマラスで美人な女性を模して作ったって聞いたことあるなあ。おっほぅ♪ てぃむてぃむおっきしてきたあ!(下ネタ)
つがる市は亀ヶ岡遺跡で遮光器土偶が発掘されたことから、土偶の町としても有名です。
そのため、木造駅でも「しゃこちゃん」という愛称で親しまれ、果てには駅を守るガーディアンになったとさ。











そんなインパクト抜群の巨大しゃこちゃん……土偶を巨大化するのって、どうよ? と唐突に今思いましたが、それはおいておいて、巨大しゃこちゃんの木造駅ですが、行ってみてわかったのは、駅周辺の寂しさです。
こんな超個性的な土偶駅にも関わらず、ひと気はなく、というかむしろ空き家と廃墟ばかりで、駅との対比がなんともちぐはぐ。
駅前なのに飲食店は一店だけで、ほかに店はありません。



















来た時は、巨大しゃこちゃんに「おおーっ!」と興奮しましたが、木造駅の本当の見どころは巨大しゃこちゃんの眼前に広がる廃墟群なのだと知りました。
高山稲荷神社然り、チェスボロー号展望台然り、木造駅然り……青森は独特の不思議さが溢れています。
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