心霊スポットの話 / 信号は赤か青か
■湿気と夏と怖い話
どうも最東です。
今は2014年6月ですね。いよいよ暑くなってきました。
暑くなってきたといえば……やはり怖い話で心と体を冷やすしかありません。
梅雨もまだ明けませんが、ジメジメとした季節あなたの隣にも知らないなにかがいるかもしれませんよ……。
こんなよくある煽り文句と共に、今回も考察していきましょう。
■京都の某トンネルのお話
さて、みなさん心霊スポットという場所に訪れたことはあるでしょうか。
すっかり誰もが知るところとなったこの言葉。
昔の言葉でいうところの肝試し場って奴でしょうか。
なんらかの事故、事件などがありそこで亡くなった人の霊が夜な夜な現れる……。
そんないわくつきの場所を言います。
多くはダム跡であったり、トンネルであったり、廃墟であったりと基本的には人があまり寄り付かないところにあるものです。
私の知人もとある心霊スポットと呼ばれるトンネルに言ったことがあるそうです。
そのトンネルは入口付近に信号機があり、トンネル内に入ると女の首が天井から落ちてくると言います。
他にも子供がうずくまっているだとか、とかくそんな君の悪い噂が付きまとう有名なトンネルでした。
このトンネル、入口に信号があると書きましたが実はこの信号がこのトンネルを語る上で重要なキーワードになるのです。
夜、誰もいない時にこのトンネルに訪れた際、信号が“赤”だったら大丈夫。
“青”だったら霊が呼んでいるので侵入するのは危険……というものです。
心霊スポットについて詳しい肩ならほぼほぼ知っているだろうこの某有名トンネルに夜ドライブがてらに訪れた知人は、その日仲間達と一緒にこの場に訪れました。
その日のメンバーは四人。ドライブの最中近くに来たから、という理由で急に車内の二人が盛り上がったそうです。
ですが、残りの二人はそういった話は大の苦手で(この苦手な二人の内1人が私の知人です)盛り上がる二人に必死で説得しました。
ですが皮肉なことに運転していたのは乗り気な方の仲間。
ハンドルを握られてしまってはいくら抗ったところで虚しいばかりでした。
この時の車内は次の通りです。
乗り気Aは運転手。
乗り気Bは助手席側後部座席。
拒否組Aは助手席。
拒否組B(知人)は運転席側後部座席でした。
つまりうまいこと交互に座っていたのです。
道中車内の拒否組はずっと抵抗をやめませんでした。
……私はこんなブログを開いているくらいですから、そういう話は大好きなので残念ながらわかりませんが、苦手な人はとことん苦手みたいですね。
私の経験上、そういった人は男性の方が多いように思います。
とにかく、どうしてもトンネルに行くのが嫌な二人は乗り気の二人に「嫌だ嫌だ」と言い続けます。
しかしそうこうしている内にトンネルは近づいてきました。
目の前まで迫った時、その圧迫感というのか威圧感というのか……なんとも言えない感覚を全員が覚えたそうです。
その感覚を感じて二人は更に抵抗しました。目の前に来て、絶対に嫌だと気付いたのです。
しかし乗り気の二人は「ええやん、来たんやから行こうや!」「どうせなんも起こらんって!」などと楽観的に言い放ちます。ですが、この二人もこのトンネルを前になんらかの威圧感を感じていたのは確かなはず。
それが立証されるのは時間の問題でした。
「わかった! わかったって! 戻ればええんやろ!」
車内で悶着を繰り返し一向に話しがまとまらない状況を運転手が悟りました。
どうやら「どうしても行くなら俺たちはここで降りる! 歩いて帰る!」と言い放ったのが効いたようです。
車は信号の前でUターンをし、来た道を戻ってゆきました。
■信号の赤? 青?
帰りの車中、ホッと胸を撫で下ろす拒否組と渋々引き換えし不完全燃焼の乗り気組が交わす言葉なく静かに車は箸ってゆきます。
最初に沈黙を破ったのは乗り気Bでした。
「目の前まで行っておいて入らんとかありえへんわ~」
予想通りの悔い言に二人はとりあえず謝ります。そしてなんとか沈黙のほぐれた車内でぽつりぽつりと会話が戻り、行きとはまた違う活気を取り戻してきました。
その中で乗り気Aがこんなことを言いました。
「でもあそこの信号ずっと青のまんまやったやん。あれはもうGOのサインやろ! あれで行かんとか後ろ髪引かれるわー」
「ほんまやで、俺がちょっと腹立ったんわそこやねん。ずっと青やったから、青の内にさっさと入ってまおうや! って思ってさぁ……」
2人のこんな言葉を聞いて拒否組の二人は妙な反応を示しました。
「……え? なに言うてるん。ずっと赤やったやん……。俺、青になったらこいつら止まらへんくなると思って赤の内に必死で抵抗したんやで」
乗り気組は二人とも「はぁ?」と首を傾げ、「見間違いやろ」って笑います。
「いや、赤やったで。これは絶対行くな! ていう合図やと思って赤無視してまであんなとこ入るんやったら降りるって言うたんやもん」
真っ向から意見が真っ二つに割れました。しかしはっきりしていることが一つあります。
『行きたくない』と言った二人が見た信号は赤で、『行こう』と言った二人が見た信号は青だった……。
霊が呼んでいたのは、遊び半分でそこを訪れた乗り気二人だったのです。
その無言のメッセージを感じ取った乗り気二人は、今までの威勢が嘘のように静まり返り、帰宅するまでの道中ひと言ふた言程度しか話しませんでした。
■心霊スポットは遠い?
みなさんはどう思われますか?
本当に霊が呼んでいたのでしょうか。おっと、ここで有霊無霊の議論は無用です。
あるものとしてお考えください。
まったく同じ場所で同じものを見ていたはずの四人。この四人が見えていた信号の色は真っ二つに分かれたのです。
赤か青か……。
もしも運転手の彼が躊躇せずにトンネルに入っていたら、一体どんなことが起こっていたのでしょう。
本当に女の首が落ちてきたのでしょうか。
それとも見たこともない真っ黒の男に襲われていたのでしょうか、はたまた青い子供にずっと肩を揺さぶられて運転もままならないまま崖に落ちていた……かも。
思い浮かべればキリがありませんが、妄想はこれくらいにして話を本題に移しましょう。
この話に登場した心霊スポットとは、山のあるトンネルでした。
冒頭でもお話した通り、これまでの心霊スポットと言えば山であったり海であったり、はたまたどこぞの廃墟であったり。
その場所に着くまでに労力を使うような、そんな不便なところにあることが多かったのです。
ですが、昨今はどうでしょうか。
それらの心霊スポットと呼ばれる奇怪な場所はそんな遠方にばかりあるわけではなくなったのです。
……みなさん、ある不動産サーチサイトをご存知でしょうか。
おっと……もうこんな時間です。続きは次回の更新に……。
【次回に続く】
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