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嗤う旅番外編・伝説はここからはじまった!断罪のファロ ~Beginning~後編

前回のファロはこちら

■明けない夜はない。だけど明けないほうがいい夜もある。

どうも最東だっちゃ。

ファロにあたいのかわいいお尻を散々穢されたあと、復活したファンキーモンキーベイビー〇が夢がどうとか、諦めないとか、コロコロ読んでる世代のキッズならだれでも思いつきそうな歌を歌っている時からずっと目に入っていたものがあります。

それはファロのUSBポートでした。ハブに差し込んだケーブルの先にはファロのスマホと充電器が接続されています。

部屋にはコンセントの差込口は二口しかなく、部屋に入るなりファロは揚々とそれをぶっ挿し、玄関明けたら二秒で差込口を埋めました。

※イメージ

「嗚呼、この人は『ふたつあったらひとつはもうひとりのぶん』とは思ってくれない人なんだな」と西野を選んだ淳平を木陰で見つめている東条の気持ちになりました。

最東は車を運転している間は、車内の電源から充電していたのですぐに充電がなくなることはないと思いませんでしたが、ただただ東条になるしかありませんでした。

黒髪が登場。ショートが西野。最東は東条派

それだけにその充電器のことは印象に残っていたのです。

■やらかしその4 USBポート

何度も布団に入ってこようとするファロを阻止しながら朝がきました。

朝食を済ませ、出発の準備をしていた最東の目にはさきほどから見向きもされず、寂しそうに佇んでいるUSBポートが映っていました。

『USBポートが挿さったまんまでごわすよ』と声をかけるのは容易ですが、ここまででファロという人間がどういう人間なのかわかりはじめていた最東は、声はかけないで泳がしてみようと思いました。

「なにしてんの」

とファロは最東に声をかけてきます。なんのことやらと思って、「なにが?」と返事をします。

「もう出る準備できてるで」

爆弾発言。

「そうか。準備できてるんか。つまり忘れ物ないねんな?」

「うん。ない。ちゃんと確かめた」

うん。ない。ちゃんと確かめた……ですって!聞きました奥さん!

「ふぅん……(チラッ!チラッ!)

「なにぃ?」

なんかちょっと怒った口調で言われました。心外。

「準備できてるんか。そうかあ(チラッ!!チラッ!!)」

「だから忘れ物ないって!」

イラッ

「じゃあ、あれなんなん」

と金田一ばりに指をさすあたい。

「なにが……(絶句)

たちまち険しい顔つきが豚まんを上から見たみたいなしわしわになりました。

「ご、ごめん」

「お前よくあんな顔できたな。あと自信満々やったな」

「申し訳ない」

そうしていそいそとUSBポートを回収するファロ。

最東は特大のため息をつきながら、もう一度聞きました。

「もう忘れ物ないやろうな。それだけにしてくれよ」

「だ、大丈夫!もう絶対ない!USBポートは完全に失念してたけど、何度も確認したし大丈夫!(大丈夫を繰り返すファロ)」

「ほんまか~??」

などといいながら、念のため上着掛けの扉を開けます。

■やらかしその5 上着

「………………」

「アッ」

本人が「絶対ない」と言った一秒後にふたつめの忘れ物が飛び出しました。

そこにはハンガーにかかった一枚の上着。言わずもがな、ファロのものです。

「……」

「……」

あまりにもあまりな失態に、謝ることさえできないファロと、責めることすら虚しい最東がいました。そこには沈黙と畳の匂いだけがありました。オーシャンビューもこうなっては、ただただ白々しい。

※イメージ(写真は館内着)

「はあ……」

深いため息だけを連れて、私たちは旅館を後にしました。

旅館から駐車場は離れており、やや歩かなければなりませんでした。

さすがに車に着く時には気を取り直していて、ファロの朝の失態をいじるところくらいまでには回復しています。

「さ~て、今日は鎌倉やな!」

「おう、行こ行こ」

そうして、運転席に乗り込み、ファロは助手席に座りました。

ブロロ~(出口へゆっくりと走り出すプリプリくん)

「アッ」

この二日間で最も聞いた、破滅の声。厭な予感がよぎります。

「アレッ!アレッ!アレッ、アレレッ!」

そういいながら、胸や肩、腰をポンポンと叩くファロ。

なんか鬼滅の刃にこういう鬼おったな……

体に何個も鼓がついてて、それを叩くと部屋移動するやつ。

そう思うとポンポンポンと音が聞こえてくるようです。

そうしていくつもの部屋に瞬間移動した挙句、彼は言いました。

「ちょっと……駐車場から出るん待ってくれへん……」

「なんやねん」

「ぬかぽよ(作家仲間)にサインもらおうと思って持ってきた本を旅館の部屋に忘れてきた」

「死ね」

「う、うん……もう死んでお詫びのレベルよな……」

「はやく死んでほしい」

「旅館に戻って……」

「ひとりで行け」

「も、ももも、もちろん」

すたこらさっさー

あ~~~~早く死なねえかなあいつぅ~~~💛💛💛

スケジュール通りに出発できるはずだったのが、あっれぇ? 気づけば30分押しになっていたよ?

おかしいなおかしいな、駐車場に来た時点では余裕を持ってたはずなのになあ?

アッァツ!!そうだった!!

20分くらい、ファロが旅館に忘れ物を取りに行っている時間があったんだった……(低い声

おちゃめさん☆

お前とは二度とふたりで泊まりの旅なんざいかねえからな!

完結編へつづく

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