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無料ホラー連載小説 / 違法ダウンロード

公開日: : ショート連載

観たい映画ががあった。

 

漫画が原作で、キャストも豪華だ。

 

大分と話題になっているので、是非ともこの機会に僕も観たい。

 

だが、映画館に行くのも面倒だし、なにしろたかが映画を見るのに2000円近くも出してられない。

 

今のこのご時世、娯楽何いうものはいくらでもある。

 

その中から映画をチョイスして高い料金を払うなんてばからしい。

 

映画は観たいが金は勿体ない。

 

こんな時、みんなならどうするだろう。

 

我慢する?

 

観るのをあきらめる?

 

観た人の話を聞く

 

ああ、ネタバレ記事を検索するってのもいいな。

 

けど、そのどれもが観たことにはならない。

 

我慢も身体に毒だ。

 

そんな時僕がどうするのか教えよう。

 

インターネットでダウンロードするのだ。

 

著作権?

 

なんだいそりゃ食えるのかい?

 

はは、冗談冗談。

 

要はどっかの誰かがご親切にアップしてくれた映画を、ダウンロードするのさ。

 

これなら金も掛からないし、映画館に行くこともない。

 

実にスマートな手段だと思わないかな。

 

少しばかり時間がかかるのは仕方ない。

 

映画を楽しむには待つこともきっと必要だからだ。

 

この時間を待ちきれない奴もいるかもしれないが、生憎僕はそんなに子供じゃない。

 

大人の趣味を嗜むものとして、ダウンロードを待つのさ。

 

パソコンの画面で待ち時間を表すゲージが緑色に染まってゆく。

 

ほら見ろもう70%にもなった。

 

待つというのは有意義だね。

 

コーヒーでも淹れてこようかと思ったけどそんな暇はなかったようだ。

 

僕は画面を見詰めた。

 

早く100%にならないかな。

 

早く観たいよ。

 

『100%』

 

お、遂にダウンロード完了か。

 

よし、折角だからお菓子でも食べながら見るか。

 

折角の映画だからな。

 

『アップロード完了しました』

 

パソコンの画面が僕に教えてくれる。

 

カーソルを『OK』に乗せてクリック。

 

そのまま席を立つと僕は部屋のドアのノブをひねった。

 

……ん、おかしいな。

 

なんで開かないんだ。

 

何度ノブをひねってもドアは開かない。

 

次第に僕は焦ってきた。

 

あれ? あれ? なんでだ? なんで開かないんだ??

 

落ち着け。

 

きっとなんか単純な原因なんだ。

 

少し外の風を当たろうと窓を開けた。

 

窓の外は真っ暗だ。

 

なにも見えない。

 

それは単純に夜だからという意味ではない。

 

真っ暗だ。

 

ただただ真っ黒で景色もなにもない。

 

闇。闇。闇。

 

どどど、どういうことだ??

 

え? え?

 

僕はあとずさりした拍子にさっきまで座っていた椅子にぶつかった。

 

そのまま後ろに倒れこんだが、ちょうどそれが椅子だったためにそれに腰をかける形となった。

 

さきほどまで見つめていたPCの画面が目に入る。

 

……あれ?

 

見たことのない画面になっている。

 

パソコンの画面には、大勢の観客がこちらを一斉に見ているのが見えた。

 

パソコンの向こうの観衆たちはまるで映画をみているようだった。

 

どういうことだ……?

 

言葉に出せず、ただパソコンの前で固まる僕はその後……どうなったのだろう。

 

 



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