【新刊情報】『#拡散忌望』が発売されます。【2017.6.17】
■6月17日発売
どうも最東です。
昨年2016年10月25日に私の書籍デビュー作『夜葬』が発売されました。
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それから8か月――……
ついに2作目である『#拡散忌望』が発売される運びとなりました!
私のように賞を受賞してデビューした作家はよく、「二作目が本当のデビュー作だ」と言われます。
というのも、受賞作(一作目)は「受賞作なので、ほとんど原稿は応募時から手を加えない。さらに受賞の冠があるので版元からの大々的な宣伝もある」という副賞がついてきます。
つまり二作目というのは、そういったものがほとんどクリアな状態で出す謂わば『作家としてのデビュー作』となるのです。
賞に向けて書いて受賞した一作目は、言ってみれば『素人時代に書いたもの』。
二作目は『プロとして書いた最初の作品』となるので、その辺は業界からも注目される部分だそうです。
そして、今回『#拡散忌望』が発売されるにあたって私も『プロの洗礼』を受けることとなったのです……!(ごくり)
■プレッシャーと洗礼
『洗礼』などと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、ある意味で業界を甘く見ていた私にとってはもっともふさわしい戒めの言葉だと思うのであえてこの言葉を使いたいと思います。
今作、『#拡散忌望(原題:拡散忌望)』はもともと3年前に小説サイト『エブリスタ』に投稿した小説です。(現在は削除済みなので読めません)
当ブログにも当時、記事として書いたので『拡散忌望』と検索をかければヒットしますが、今作はそんなエブリスタ内の公募イベントに応募した作品でした。
ありがたいことにこれが最終選考に残り、書籍化をめぐって争ったのですがあえなく撃沈。
落選とあいなりました。
今回、発売される『#拡散忌望』は、それをベースにし全編を書き直し、修正・再編集したものになります。
当時、前身となった当該作品を読んだことのある方でしたら設定やキャラクターはほとんどそのまんまなので親しみはあるのではないでしょうか。
ともあれ、『夜葬』でデビューが決まった私は担当編集者さんに二作目の打診を受けました。
その時に、webで発表していた『拡散忌望』をはじめとした既存作品の一覧を作成し、参考までにとお渡ししたのです。
そして、ありがたいことに『拡散忌望』が目に留まり、第二弾はこれでいくこととなりました。
■試練の時
ここで先に言ってしまうと、本来の予定ならば私の第二作目の出版はもう2か月早いはずでした。
つまり、4月の末には発売していておかしくはなかったということです。
さて、ではなぜ2か月遅れたのか?
レッツ、シンキングタイム!(強制的な思考時間)
チッチッチッチッ……ブゥーーー!
正解は、二回原稿没ったからだよ!(血涙
そうです。私は一から書き直した原稿を二回没になりました。
敗因はすべて私にあるのですが、もともとあった原稿の書き直しで没になったのには大きな理由があります。
ひとつに、ストーリーラインがほとんど決まっていた原稿を基にするためプロットを再構築しなかったということ。
もうひとつに、そのせいで担当編集者さんと私との間に『求めているヴィジョン』がずれてしまっていたこと。
前述にもあったとおり、もともとの原稿は3年前にwebで公開したものです。
それゆえ作者としては、「よーし、今の技術でもっともっとすんごい作品にしちゃうぞ☆チェキラ」となるわけですが、そこには色々といれなくてもいいプラス要素がてんこ盛りになるわけです。
結果、ホラーとしては非常に中途半端なものが出来上がってしまい、さらに名誉挽回とばかりに鼻息を荒らげて挑んだ2度目の原稿も没りました。
この時、すでに原稿に着手し始めてまる三か月が経っていました。
3度目にもなるとさすがに心が折れかけていたものの、それでも無理やり自分を奮起。
勇気を出して私は「あのぉ……すみません……もう一回プロット作り直しますんでそこからみてもらってもよいですか……」と申し出ました。
■無事OK
プロットを書き直し、そして2回の没を経て学び、反省した要素も付け加え、三度目の正直とばかりに担当さんに見てもらいました。
多少の突っ込みどころはあったものの、そこは執筆過程で修正していけばいいということでなんとかOKをもぎ取ることができました。
プロットにまる一か月をもらった私はここですでに涙目。
これは師走の大晦日にさしかかろうとする直前でした。
そして、そこからさらに一か月をいただいて原稿を仕上げついに通過!
長い道のりでしたが、自分でも最も納得のいくクオリティのものができたと思います。(鼻息
そうやって、苦しみ足掻きながらようやく産み落とされた『#拡散忌望』ですが、自信作なのでぜひぜひみなさんに読んでもらいたいです!
■隠された3つのニヤリポイント
さて、そんなわけで6月17日に発売される今作ですが、『夜葬』とはまた違ったアピールで恐怖を描いています。
特にミステリー要素が強く、ホラーだけでなく謎解きも楽しめると思います。
当然、シリーズものではないので『夜葬』が未読な方でも楽しんでいただけます。
しかし、『夜葬』や当ブログの『【夜葬】病の章』を読んでくださっている方にもちょっとしたサプライズを仕込んであります。
あくまで読み込んでくださっている方しか気づかないとは思いますが、『夜葬』『【夜葬】病の章』の読者様だけがニヤリとできるポイントを3つ仕込んでいます。
これに全部気づくとちょっと楽しいかもしれませんね。
(ちなみにいうと現在準備中の角川ホラー三作目にも同様の仕込みをしています)
■次作について
二作目が出る前に次の作品のことをいうのもあれかと思いますが、一応現在準備中だということだけはお知らせしておきます。
できるだけ、『夜葬』、『#拡散忌望』とはまた全然違ったカラーのものにしようと思いつつ頑張っているので、是非とも発売の際にはお手に取っていただければありがたいです。
そして、今作の装画イラストを担当してくださったのは、『夜葬』に引き続いてねこ助さん。
今回も繊細で綺麗な中におどろしさと不気味さが醸し出されている、唯一無二のものに仕上げてくださっています。
今作を読んだ後で、このイラストがどのシーンを切り抜いているのかが分かるとより一層、恐怖を楽しんでいただけるのでは、と思います。
版元さんならびにかかわってくださっているみなさまに最大限の感謝を込めつつ、読者のみなさんにも楽しんでいただける作品を作っていけるよう踏ん張っていきます!
『#拡散忌望』をよろしくお願いいたします!
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