無料ホラーブログ小説 / 血まみれの女
公開日:
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ショート連載

心霊スポットに赴いての肝試し大会。
正直、苦手なんだけど参加を決めてしまったからしょうがない。
イヤイヤながらも僕は会場のとある公園へとやってきた。
敷地が広く、昼間は老人や子供が遊ぶ普通の公園なのだけど、
いったん夜になってしまえばこの通り真っ暗で人気が一気になくなる。
それでもってこの手の話にはつきもののいわくつきだ。
そのいわくというのは、まぁよくある幽霊が出るってやつ。
この公園のいくつかある公衆便所の、一番目立たない林の近くにある公衆便所。
僕も行ったことはあるが、怖い上にとにかく臭い。
掃除していないこともなさそうだけど、なんで公園のトイレってのはこんなにも匂うのだろう。
おっと、話が逸れた。
このトイレに夜中の2時に行くと、血まみれの女が恨めしそうにこっちを見詰めているというのだ。
というのも、この公園では数年前、一人の若い女性が乱暴された上に何十か所も刃物でめった刺しにされて死んだ。
これはうわさじゃなくて本当の話。
しかもその殺害現場がそのトイレだっていうんだから怖い。
そういう事件があって、このトイレはしばらく閉鎖されていたんだけど……最近また解放されたんだ。
この公園を利用している人達には迷惑な話だけど、まぁトイレはまだ何か所かあるんだし勘弁してほしいな。
そうそう、それで肝試しなんだけど、なんとその場所ってのが例の公衆便所。
いやになるよね。
元々、そういうオカルトなものって苦手なんだよ。
時刻は午前2時前。
ああ、どうしよう時間が近づいてきた!
遠目から公衆便所を見る。
電気はついているけど、特有の薄暗さっていうか……
なんというか気味が悪い。
だけど僕は勇気を出していくことに決めた。
じゃないと彼女に笑われちゃうもんね。
いや、行かないと怒られちゃうか。
『自分でやっといてなにビビってんだ!』
ってね。
僕はピシャリと頬を叩くとビビる心を抑えて例の公衆便所に向かった。
う……やっぱり臭いな。
そういえば幽霊が出るトイレっていうのはどこもすごく臭いらしい。
うわーそれじゃ条件ぴったりじゃん。
そして女性の死体が見つかった個室を覗き込んでみる。
……そこには、血まみれでこちらを睨む女の姿があった。
「なぁんだ。やっぱりまだここにいたんだ」
僕はその女に向かって溜息と一緒に呆れた感想を言った。
女は恨めしそうにこちらを睨み、血の涙を流している。
「ここに血まみれの女の幽霊が出るっていうから、もしかしてと思って確かめに来たんだけど、やっぱりお前か」
女は低い声で僕に「殺す」とかなんとか繰り返したけど、全然怖くなかった。
いくら幽霊でも、自分が殺した奴は別に怖くないからね。
あ~あ、拍子抜けだったな。
知らない女だった! っていう展開を期待したんだけどな。
あ、そうそう。
例の事件だけど、犯人はまだ捕まってないんだって。
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