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高さ100メートルの廃墟 兵庫県淡路島・世界平和大観音像






■大自然のどかな島・淡路島




どうも最東です。




淡路島はいいところです。鉄道こそありませんが、明石大橋を渡ってすぐの高アクセス。








山で遊んでよし、海で遊んでよし、牛乳も美味い、玉ねぎ美味い、海の幸も最高。




え、なにここ楽園?




いつのまにか死んでたっけ私……?




と錯覚してしまうほど、都会の喧騒とは無縁の島です。




ドライブしているだけでも車窓の流れる景色に見とれてしまうほど、のどかです。




窓を開ければ潮風が頬を撫で、いいところだなぁ……とつい呟いてしまうほど。







こんなところで暮らすのもいいなぁ、と思わせてくれる淡路島は温泉も盛ん。




近年では観光客の増加に伴い、宿泊施設や観光施設、遊べる場所も増えています。




広大な土地を余すことなく利用したアスレチックはスリル満点!(行ったことないですが)




とにかく、いいところなのです。毎週行きたい。




■唐突に現れる巨大な観音像




「ふぃ~……なーんていいところなのかしら……。こんなにいいところならいっそのこと移住しても……ぷぎゃおァアアア!




となることは間違いなし。事前情報なしではまず仰天するでしょう。




淡路インターチェンジから車で約15分。




淡路市釜口に不気味にそびえるそれは、美しい景色の中に突如として現れます。




人間とは元来、巨大すぎるものに恐怖を抱くもの。




白く佇むそのシルエットに近づくにつれ、その巨大さを思い知ることになります。




怖ろしく巨大な観音像に自ら近づいていくことへの絵も知れぬ恐怖感と威圧感はなかなか味わえないことです。




やがて首にギブスを付けたような恰好の巨大建造物、【世界平和大観音像】がはっきりとその姿を現し、足元まで来た頃にはもはや見上げることも敵わぬほどの畏怖を押し付けてきます。




台座部分に当たる館を合わせると実に全長100メートルを超える、国内でも稀に見る巨大な観音像……【平和観音寺】の【世界平和大観音像】がそれです。




※正式な名称は豊清山平和観音寺








■驚愕なのは全長ではない




さて、この世界平和大観音像、観音像でありながら近づいても威圧感を感じても神聖さを感じません。




なぜでしょう。




ひとつはどこかチープな造りがあるでしょう。




観音の姿形はしているのですが、精巧かと言われれば首をかしげるしかありません。




かなり大味な造りになっているように見えます。




大海原に向いた体はよく見るとあちこち外壁がはがれています。




台座の形をした館もよく見れば窓ガラスが割れていて、荒んでいるのがわかります。




正面の門の横には五重塔ならぬ十重塔。







これもよくみると屋根は穴だらけ、落下防止のネットが全体にかけられている始末。







そう、この観音像は『観音像でありながら廃墟』でもあるのです。




実は世界平和大観音像の中は博物館と展望台になっており、台座の館も同じく博物館やレストランとして営業していたのです。




つまりはハリボテの観音像だった……というわけです。




■なぜ廃墟に?




観音菩薩像や大仏像といえば、れっきとした仏教もしくはなんらかの宗教法人のものだと考えるかと思います。




ですが、この世界平和大観音像は宗教法人はおろか仏教ともなんら関係のない一個人が建設したものなのです。




意外に思われるかと思いますが、実は日本にはいくつかこういった個人が建立した大仏像や観音菩薩像が存在していて、有名なものは福井県にある越前大仏があります。




世界平和大観音像も営業当時はそういった意味でも有名で、淡路島を代表する一大観光地になる予定だったのでしょう。




もともとは大阪市内に数多くの不動産を所有する奥内豊吉氏が地元淡路島の活性化を目的に私財を投じ建立した施設でした。




一時期は隆盛を誇ったようですが、人気はすぐに下火に。




せっかくのオーシャンビューレストランも休業状態となり、ほどなくして奥内豊吉氏が死去。意志を継ぎ夫人が跡を継ぐも、2006年の死去と共に廃墟への道をたどりました。




そうして現在、日本一巨大な廃墟としてひっそりというにはあまりにも大きな体でただ朽ちてゆくのを待っています。




■万国博覧会??




宗教法人ではないとはいえ、営業時代から平和観音寺はカオスでした。




正面門から十重之塔がお出迎えするものの、人が入るようには作られておらず文字通りハリボテ状態。あまりに巨大すぎるただの飾り(モニュメント?)です。




さらに中を進むと施設内には自由の女神のレプリカ像があり、突然の無国籍感が襲います。




もっと行くと今度は蒸気機関車のD51 828が展示されておりこんどはコンセプトもブレまくり。




観音像内(台座部分の館が平和観音寺という体らしいです)には、クラシックカーや、時計、近代陶芸、絵画(贋作)、鎧兜などの博物館・美術館があり、展望レストランとなぜかラドン温泉浴場が完備。




上に上がれば上がるほどカオスになっていく様子は大阪の通天閣のようですが、比べものになりません。




そして、「むち打ち観音」と揶揄されるギブス部分は展望台。








作りの大味さの中でこの展望台からの景色は絶景だったのかもしれません。




■現在




さて、この世界平和大観音像……ですが、地元では深刻な問題になっています。




数多くの廃墟マニアの不法侵入問題も去ることながら、長年放置され続けてきたため劣化した施設内は朽ち、雨漏りや腐食が確認されています。







取り壊すにもこれだけ大きな建造物を解体するには莫大な予算がかかります。




さらに所有者不在のため、行政も八方ふさがりとなり、地元住民はつねに倒壊の恐怖におびえて暮らしています。




近年、日本全国を襲う大型台風、いつ起こるか予期できない地震など、自然災害でさらに倒壊の危険は増しています。




事実、2018年の台風で観音像の外壁がはがれ落下するという事故も起きていますが、対策もできないまま現在に至っています。




日本全国で深刻な問題になっている空き家問題ですが、ここにも看過できない文字通り巨大な問題があります。




私もすぐそばまで行ってみましたが、正直いつ崩れてもおかしくないと感じました。




ただでさえ建物の倒壊は恐ろしいですが、100㍍を超える建造物の倒壊は想像もできません。




建立当初はよかれと思ってのことだったかと想像できますが、奥内夫妻はこの未来を予期できていたのでしょうか。







■そして、淡路パスタ




ランチは前々から行ってみたかった「ダンメン」に行ってきました。








詳しくはこちら→http://danmen.info/




世界平和大観音像の問題は考えモノですが、淡路島はいいところです。




最東対地



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