私のトラウマ映画1 ネクロマンティック
■ホラー映画大好き!
どうも最東です。
ネクロフィリア……という言葉はご存知でしょうか。
あまり馴染みのない言葉ですよね。
ネクロフィリア……これはなんなのかというとつまり
『死体愛好家』のことを差します。
今回はこのネクロフィリアを題材にして作られたある映画についてご紹介しましょう。
■【閲覧注意】
さて、ここから先は少々ハードな内容となっておりますので、グロい系のお話が苦手な方は遠慮された方がいいかと思います。
……とは言え所詮は映画、作り物のお話です。
そう思うことが出来れば平気だとは思いますが……おすすめはしません。
それではネクロフィリアが題材の映画『ネクロマンティック』について紹介と感想などを語ってゆきましょう。
この『ネクロマンティック』という映画、所謂いわくつきの映画という奴です。
と、言っても撮影中に誰かが死んだとか、見たら呪われるとか……そういうものではありません。
ネクロフィリアをテーマとしているだけでも禁忌(タブー)視されているのに、さらにこの映画は踏み込んだ描写が作中のあらゆる場面で登場します。
死体損壊は当たり前ですし、生きてる人間の首もぶっ飛ばしたりと……
ですがまぁこの程度ではホラー映画……特にスプラッターにジャンルされるものでは珍しくありません。
この映画をいわくつきとしたのはその異常な性愛描写でした。
死体の内臓を浮かべ赤黒くなった湯を張ったバスタブで恍惚になったり、持ち帰った死体を切り刻みながら恋人とセックスしたり……。
とにかくまともな神経をしている人が観たら泡を吹いて倒れるのではないかというほどに異常で、それは狂気といっても差支えはありません。
結果、数多くの映画館で上映禁止になり、ある国では上映禁止だけに留まらずネガとフィルムを焼却処分させる命令も出たほどだそうです。(しかも本国であるドイツでです)
しかし皮肉なことにこれはある種で広告の役割を持ちマニアやカルト映画ファンの中ではやたらと人気の高い作品となってしまいました。
かく言う私もこの映画を鑑賞したのはごく最近なのですが、この映画は本当にすごいです。
確かに死体損壊や屍姦描写が躊躇なく描かれているのも衝撃的なのですが、それらのシーンと共にオルガンの旋律が綺麗なメロディーが流れるのです。
主人公の歪んだ性癖と、倒錯した心理描写を見事に表していてある種傑作とも言えますが、それこそがこの映画を狂ったカルト映画へとのし上げた大きな要因ではないでしょうか。
耐性の無い方は一秒たりとも直視出来ないことは請け合いで、私ですら途中眩暈を催したほどです。
ですが、この狂気の先にはなんとも言えない恍惚とした快感にも似た感覚が襲いかかってきます。
そう、紛れもなくこの作品は映画なのです。
いくら有害指定をされ上映が叶わなくとも、徹底した異常性愛の裏に一点の曇りもない美しさが隠れているのです。
それに気付き触れたとき、後戻りの出来ない感覚が襲うでしょう。
その中でなによりも脳裏にこびり付くのはラストシーン。
ネタバレになりますので、ここまで読まれて観て見ようと思っておられる方はここで読むのをやめてください。
同じネクロフィリアである恋人に逃げられた主人公が、倒錯した逃避行の末辿り着いたのは、いくつもの死体と愛し合った自分の部屋でした。
彼は料理用の包丁を持ち出し、ベッドに横たわるとズボンを下し性器を露出させます。
彼の性器ははちきれんばかりに勃起しており、その時を今か今かと待ち焦がれているようにも見えました。
そのアンバランスな光景の中で、そそり立つ性器が妙にかわいらしくも見えてしまうのは恐らく見ている自分自身も倒錯し始めているからでしょう。
意を決すると彼は自らの腹部に包丁を突き刺すと何度も何度も刺し、自らの腹を裂いてゆき、口からは血を噴き出しながら自らを傷つけることをやめません。
そして、勃起したそれからは噴水のように射精し、やがて精液が出尽くしたのか、白い精液は真っ赤な血になり尿道から噴き出すのでした。
そこで例の和やかなBGMがかかるわけです。
なんと恐ろしくなんと美しいシーンなのでしょう。
ですが、私は正気に返った後そのシーンが焼き付き忘れられなくなりました。
何気ない時に思い出すそれが、なんとも物悲しく、そして愚かで恐ろしい。
間違いなくこれを『トラウマ』というのでしょう。
■ネクロマンティック2
そしてカルト的な人気を一部で不動の物とした87年作のこの『ネクロマンティック』ですが、なんと91年に続編が登場します。
前作の主人公に強い憧れを抱いた若い女性がなんと前作の主人公の墓を掘り起し、死体を盗むところから始まります。
ですが、これまではただの願望であったネクロフィリア行為。
いくら憧れの男性がの屍とあってもその腐臭には耐えらなく、嘔吐するのでした。
彼女にはちゃんと生きている恋人がいます。
ですが、どうしても死体との情事に未練がある彼女はあるアイディアを思いつくのでした。
彼女は恋人とのセックスの最中、恋人の首を切り落とし代わりにミイラ化した死体の彼の首と交換したのです。
そうしてやっと彼女の欲求は満たされる……。
どうですか?狂ってますね。そうですね。
異常と呼ばれるもの、危険と呼ばれるもの、疎まれるもの。
それらには必ず不可解な美が付いて回ります。
貴方にはそれに触れる勇気は……ありますか?
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