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ロメロが絶賛したゾンビ映画 / ショーン・オブ・ザ・デッド

公開日: : 最終更新日:2016/08/30 おもうこと, ホラー映画

 

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■ショーン・オブ・ザ・デッド

 

 

どうも最東です。

 

 

実は、このブログで扱った映画の数がそこそこ多くなってきまして、固定ページにアーカイブを収録しようかと思っています。

 

 

もっと率先して沢山のホラー映画を見てレビューできればいいのですが、中々時間が……ぐはぁっ(吐血)

 

 

と、まぁそんな言い訳もしたところで、ずっと見たかったけれど未視聴だったゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』を鑑賞しましたので感想を綴っていきたいと思います。

 

 

この映画は、2004年イギリスで公開されました。

 

 

日本では未公開でしたが、公開国であるイギリスではヒットしたゾンビ映画です。

 

 

『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、タイトルの通り、ジョージ・A・ロメロのゾンビ三部作にオマージュを捧げた作品。

 

 

では、実際中身はどうでしょうか。

 

 

 

■その映画、ただのパロディに非ず

 

 

 

『~オブ・ザ・デッド』と名前がつくことから分かるように、この映画はロメロゾンビを強烈にパロディした映画だと思われていました。

 

 

……実際、そこまで否定も出来ないのですが、なによりもジョージ・A・ロメロ本人が大絶賛したというのです。

 

 

それだけではありません《米紙が選ぶゾンビコメディ12選》に於いても、堂々の一位を獲得しました。

 

 

以上のことから、ゾンビファンの中でこの映画は、『ただのロメロパロディではない』と噂され始めたのです。

 

 

私が鑑賞した感想としては、ここまでテンポがよく、バカバカしいけども、正統派なゾンビ映画は無かったのではないでしょうか。

 

 

昨今のゾンビ映画と言えば『WORLDWAR Z』や、『28日後』『バイオハザード』などが代表格としてあると思いますが、そのどれもが【スピード重視】の作風となっております。

 

 

そのため、ただ揺らめきながらゆっくりと歩く所謂『ロメロゾンビ』は、少なったといってもいいです。

 

 

そもそもゾンビの定義が作品によって違うのですが、この『ショーン・オブ・ザ・デッド』に於けるゾンビの定義とは、その中でも変わっていると言っていいでしょう。

 

 

感染なのか、黒魔術的なオカルト的要因なのか、そこは明示されていませんが、この映画の場合、『ゾンビデイ』というゾンビが蔓延る一日があったというお話です。

 

 

たった一日ですが、その日だけゾンビが蔓延し、噛まれた人間はゾンビとなりました。

 

 

その理由は語られませんが、そこに重きを置かないところも実にライトで好感触です。

 

 

 

■ドキドキしないゾンビ映画

 

ゾンビコメディといえば、2009年に公開された『ゾンビランド』が記憶に新しいのではないでしょうか。

 

 

ゾンビを徹底的にパロディ化し、コメディに徹した今作は、ゾンビファンのみならずその他方面からの指示も集めました。

 

 

ゾンビ映画には付き物の残酷描写もほとんどないので、ホラーとは言えないかもしれませんが、ゾンビ映画に対する尊敬とオマージュがそこかしこに見られ、最高のエンターテイメント傑作に仕上がっています。

 

 

怖くない……という点では、『ショーン・オブ・ザ・デッド』も同じといえるでしょう。

 

 

劇中に現れるゾンビは、ご多聞に漏れず、セオリー通りのゾンビです。

 

 

ゆっくりとしたのろまな動きと、低い知能。生きている人間を食糧として彷徨い、ゾンビに噛まれた人間もまたゾンビになる。

 

 

まさしく正統派なロメロゾンビと言えます。

 

 

ですが、主人公と友人の二人のキャラがそもそもこのゾンビを恐ろしい存在として認識させないのです。

 

 

どこか緊張感のない二人の立ち振る舞いと、浅はかな考え。

 

 

共感できない解決策に楽観的な思考……。

 

 

と、ゾンビホラーにはあってはならないものばかりを持っています。

 

 

それゆえに、ゾンビ映画なのにも関わらずおどろおどろしい演出も、手に汗握る緊張ありません。

 

 

なのに、きっちりと残酷描写も描き、親しい間柄の人間がゾンビ化して殺さなくてはいけなくなった悲哀、そして恋人とのラブロマンスに友人との友情。

 

 

それに脱力コメディまで詰め込まれています。

 

 

詰め込みすぎなようにも思える『ショーン・オブ・ザ・デッド』ですが、コメディを逆手に取ったリズミカルでテンポもよい展開が、今作を傑作の域にまで押し上げているのではないでしょうか。

 

 

 

■ロメロ氏が認めた正統派の流れを汲むゾンビ映画

 

 

 

イギリスで公開され、スマッシュヒットを攫った『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、ゾンビ映画の父ジョージ・A・ロメロにも手放しで絶賛されたそうです。

 

 

そして、ロメロの『~オブ・ザ・デッド』シリーズの新作である『ランド・オブ・ザ・デッド』に監督エドガー・ライトと主演のサイモン・ペグがカメオ出演するまでに至りました。

 

 

最近ではゾンビコメディというのは、コンテンツとして浸透し始めています。

 

 

前述のゾンビランド然り、ゾンビーノしかり。

 

 

その一方で【感染系】【パンデミック系】と称される、正統派から派生したスリル系ゾンビホラーも生まれ、ゾンビ映画を語れば枚挙にいとまがない時代となりました。

 

 

世は、これまでにないほどゾンビ映画が溢れています。

 

 

その中で、本当に良作を見つけるのは大変だとは思いますが、もしもお悩みでしたらこの『ショーン・オブ・ザ・デッド』を手に取ってみては?

 

 

最東は、次に見たいゾンビ映画は……ザ・ホードでしょうか。

 

 

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