【怪紀行滋賀番外編】待ち人こず! 断罪のファロ!
■本記事をお読みいただく前に
どうも最東対地です。
今回は怪紀行の番外編として、私の身を襲った恐ろしい出来事を記そうと思います。
正直、この話を書くか書くまいか悩みました。
これを書くことで迷惑をかける人もいるし、誰も得したりもしません。
それでも書くことを決めたのは、自分の胸の中にしまっておくことができなくなってしまったからです。
本当なら胸の奥にしまっておいて、墓場まで持っていくべきなのはわかっています。
しかし、心臓を縮めるほど恐ろしい体験というものは、自分の中だけで留めておくことなど至難の業。どれだけ時を経ようとだれかに打ち明けたくなってしまうものです。
怪談に限らず、当事者が自分自身であれば恐怖体験は黙っていることができなくなっていくことをこの身をもって知りました。
前段が長くなってしまいました。
身勝手な告白に読者の方を付き合わせてしまうのは本望ではありません。この類の恐怖体験が苦手な方はここより先は読み進めないでください。
……とはいえ、当ブログの読者にこんな注意をするのは無粋ですね。
それでは私が滋賀で味わった出来事をどうぞ。
■その男、ファロ
怪紀行の滋賀編ですが、実は滋賀に訪れるのは二度目でして三度目の来訪も考えています。
調べてみると滋賀にはいろいろと面白いところがあり、二度の来訪ではまわりきれなかったのです。
しかし、それは結果論であって今回の怪紀行では滋賀の怪紀行スポットはあらかた全部まわりきるつもりだったんです。
前回の滋賀編の時はひとりでまわりましたが、今回は同行者を帯同する予定でした。
ですが、滋賀二期の記事に同行者は登場しませんね?
その通り、彼はこなかったのです。
滋賀行きを決めてほどなくして、友人のファロ(仮名)に滋賀怪紀行に誘いました。
誘った理由はひとりで行くより交通費が安くつく、ということと、同業者なのでなにかしら創作の肥しになるのではないかと思ったからです。
記事化はまだできていませんが、以前彼の取材に付き合ったことがあるので次は最東のターン!という側面もありました。
「行く~」
と返事があったので私は細かい旅程を組みました。
そうするとどうも一日で周るには無理がある件数だと不安になりました。別に一日で周りきらなければならない、ということはありませんができるだけ一回で終わらせたいというのが人情というもの。
いよいよ日程を決めファロにも伝えたると、彼は滋賀に妹家族が住んでいるらしく前の日の晩から泊めてもらうと言いました。
とにかくこのファロという男、見た目は物腰柔らかく常識人のようなふりをしておいてかなりそそっかしくいい加減な性格をしています。
いや、ずぼらと言ってもいいでしょう。遅刻や物忘れの常習犯なのです。(本人の名誉のため仮名にしました)
救いなのは彼自身それをある程度自覚していることです。それゆえ、念のため前乗りしておけば少なくとも遅刻はしない! ということでした。
その心意気やよし!
とこれには最東も感心し、この旅はきっと楽しくなるだろうなという予感。
■実録・恐怖体験
前出の通り、一日でまわりきるには無理なスケジュールだったので最東は急遽前乗りすることにしました。
前日の午後に滋賀に到着し、そのまま2つのスポットを周ることに。
急遽決めたことと、妹夫婦に第一子が誕生したということで顔を見たいという目的もあったファロのことも考え、前乗りした日は最東ひとりで周りました。
一応、ファロにも前乗りしている旨を伝えつつ、待ち合わせは草津駅に9:30待ち合わせということに。
お互い前乗りしているので午前の早い時間から待ち合わせできるのは利点だな、と思いつつその日の夜はホテルにチェックインし、近くのエニタイムフィットネスで一汗流しました。これで自分が遅れたら笑えないので、その夜は早く寝ることに。
そうして翌日、時間通りに最東は草津駅へ。
しかしファロの姿がない。……だけど最東はこんなことでは焦ったりしません。時間通りにこないことなど奴にとっては通常運転。
そのままとりあえず15分ほど待ちました。
「もしかして西口のほうかな」
なんとなく東口のロータリーで待っていた最東はその可能性を考えました。
いつも待たせてばかりなので時間が過ぎていても黙って待っている、なんてこともあり得なるなとか思いながら反対側に車を移動させます。
しかし、ファロの姿はありませんでした。
仕方がないので近くの駐車場に車を停め、直接ファロを捜しに出ます。
なにせはじめてやってくる駅なのでどういう構造をしているかわからないので、まさかと思いながら改札前にも行ってみようと足を運びました。
やっぱりいない。
ちなみにこの間、何度か電話もかけLINEも送っているのですが既読もつかないし通話もつながらない。
彼に限ってはスマホを忘れるなんて朝飯前なのでそれも気にしてませんでしたが、すでに待ち合わせから30分が過ぎいよいよ心配になってきました。
なにせ前乗りしていることは知っているのだし、前々から日程は伝えていたわけですから、そこまでして待ち合わせ場所にこないというのはどうかしてます。
事故やトラブルを疑うのは至極当然でしょう。
冷や汗。もしもなにかあったとしたら、誘ったのは自分である手前、かなり責任を感じます。
そんな不安の中、何度目かの電話にファロは出ました。
「おう、お前いまどこ?」
『え、普通に家やけど』
今思い返せば『普通に家やけど』のワードが飛び出した時点でブチギレ散らかすべきでした。
しかし、この時の最東といったら『なにかあったんじゃ……』という不安の渦中でしたから、しれっとした声音にまず安堵してしまいました。
「家? 妹の家か」
なんだ、時間を間違えたのか。と思い訊ねると
『兵庫の家やけど』
「は?! なんで?」
『なんでって、なにが?』
繰り返しますがここでキレ散らかすべきでした。
「お前、滋賀周るの今日やぞ」
『え、今日ちゃうやろ?』
あまりにも平然と言い放つので間違っているのは最東のほうだと思い、「え? そうやったっけ? あれ?」と狼狽えます。
『〇日やって聞いてたけど』
あまりにも悪びれていない口ぶりに最東はこの時点ですっかり『間違っているのはおいどんでごわす』の思考になっていました。
んで、通話を切ってLINEの履歴を遡ってみると……
ジャジャーン!!!(心の中で鳴り響いたシンバルの音)
ちゃんと今日でしたー!イエーイ!
→すぐ電話
「お前、今日ってちゃんというてるやんけ」
『……俺も今見た』
この時になるともはや優位なのは自分だという自負があるので、心は落ち着きを取り戻していました。
「それによう考えたら俺、前乗りしてるって言うたやんな? その時点でおかしいと思わへん?」
『その時は……思わんかったな』
「おめでたいおつむだこと!」
さっきまでの平然とした態度は鳴りを潜め、すっかり意気消沈したご様子。
「まあ……ええわ。言うてもまだ午前中やし」
『でもそっちに行こうと思ったら3時間くらいかかる……』
「まだ10時過ぎたとこやし、俺はいまから周るわけやからどっちにせよ一日中滋賀にはおるで。いまから3時間やと13時か14時には合流できるやん」
『そうやな……うーん』
「起きたてで頭まわってないやろから、一息してからまた連絡して」
『わかった……ごめん』
と、いうわけでやさしさの化身、最東は一切責めず、声も荒らげることもなく許しの機会を与えたもうたのです。(神)
こういうことしでかしちゃうタイプの人間だということは心得ていましたが、ここまで予想の斜め上をいくヘマをやらかすとは思ってもみませんでした。
《ちゃんと前もってしつこく「〇日〇時だぞ」と念を押して、前日には「明日だぞ明日の〇時だぞ」と念を押していなかった自分が悪いんだ。うん、きっとそうだ》
と無理やり納得させつつ、気持ちを切り替えて最東は兵主大社に向かい、そのあと沖島へ渡りました。
沖島に向かう渡船の中、やさしさの化身である最東は『沖島から本土に戻るのが14時くらいだよー💛』とまさに渡りに船のLINEを送りました。
そしてまもなく返信が。
■結果発表
『体調が悪くなって、やっぱり今日はやめとく』
こおおへんのかあああーーーーーーーい!!!!(ずこー-っ)
いかがでしたかみなさん、恐怖のズンドコに陥れてしまいましたね……ですが最初に自己責任だと念を押したはずです……ふふふ(げっそり)
誰かと旅行に行く際にはしっかりとリマインドしておきましょうね……(教訓)
※最東はこの経験から、その後予定を組む際しつこくリマインドするようにしています。もちろんファロに限らず。
↑最東がすっぽかされた場所です。
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