怪紀行青森・東北最恐?それとも最狂?止まらないおもてなし とびない旅館《中編》
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最終更新日:2023/09/26
おもうこと, 怪紀行, 雑記 とびない旅館, むつ市, オーブ, シンウルトラマン, シン仮面ライダー, プラモデル, モデルガン, 座敷童, 庵野秀明, 芋すり餅, 青森県
■座敷童がでる宿
どうも最東です。
全国津々浦々、〝座敷童がでる宿〟を詠っている旅館やホテルは数多くあります。いや、多いかどうかは知りませんが。調べてないので。
とびない旅館もそんな〝座敷童がでる旅館〟として有名です。
実際、同行したMOCCHANも「俺は座敷童が見たい」と勃起していました。
なるほど、座敷童ね。ふむふむ、な~る。
そういうわけで、最東は息子に無断でロックシード(仮面ライダー鎧武の錠前型おもちゃ)を二個、それもオレンジとブドウを持っていきました。
と、いうのも、予約時の電話でとびないさんが「座敷童にお土産持ってきなよ。じゃないと殺されるよ」、あ、違う、「じゃないと怒ってでてきてくれないよ」と言われたそうな。
そういうわけで中二のライダークラスタの息子から、(無断で)ロックシードを拝借してきたわけです。
とはいえ、最東は座敷童にはそれほど興味がなく、目当てはあくまで『珍スポットとしてのとびない旅館』でした。
※ちなみに同行したMOCCHANは念願かなって、座敷童っぽいなにかを目撃したそうです。最東たちは座敷童の出現率が最も高いとされる部屋に泊まり、MOCCHANはしっかりとオーブを捉えた動画の撮影に成功しています。でもね、最東は思うんだ。オーブって確かに不思議だけど、なにが怖いのか。埃や虫とそない変わらんし、もっと派手なんほしい。なんやねん、オーブって!エクトプラズムどこ行ってん!!(義憤)
■到着
さて、そんなわけで我々はとびない旅館に到着しました。この日は生憎の雨が降っており、この雨の中、とびないさんが飛び出してくるのが心配になりました。
が、
とびないさんは飛び出してきません。レビューやテレビ、ネットの情報では駐車場に入った時点で勢いよく飛び出してきて、早速マシンガントークがはじまるとありました。
「あれぇ~間違ったかなぁ?」
と、アミバのひとりごとをつぶやき、不審に思っているとMOCCHANが「俺、先に声かけてくるわ」と旅館に向かいました。予定の時間より少し早く着いたからでした。
しかし、MOCCHANはすぐにもどってくると「誰もおらん」と報告。
最東も荷物を持って旅館に行ってみると、玄関ガラスから見える旅館の中は暗く、ひと気がありません。
「さーせん~」
学生生活を延長したいがためだけに進学したチャラ大学生のような軽薄気味の挨拶をしながら、玄関を開けてみます。当然のように鍵はかかっていません。
鍵がかかっていない=誰かいるに決まってんジャン!!
と思い、声のボリュームをあげて「さーせん~」と呼び掛けてみます。反応なし。
もしかして、予約通ってなかったのか?
と不安に駆られましたが、もしもそうであるのならMOCCHANが20分電話した説明がつきません。20分も話しておいて、予約通ってなかったとか、そんなのサイコパス。
「あ、ごめんなさいねぇ~」
そんなことを考えているととびないさんが帰ってきました。まさかこんなファーストコンタクトになるとは。
「入って入って」
初対面とは到底思えないフランクさでとびないさんは我々を迎え入れてくれました。
手にはビニール袋を下げています。
「買い物に行ってて~。早かったね~」
実家感!
そして、特に説明がありませんでしたが玄関には親の顔より見た(盛すぎ)ソーシャルディスタンスくんが。
「お疲れ様です~、ささ、こっちへどうぞ~」
と通されたのはテレビでも見た……えっと、なにここ。リビング? いや、し、食堂? なんの部屋?
とにかく、早速モデルガンとプラモ、ラジコンに囲まれたカオスな部屋で私たちは腰を下ろしました。ふぅ~
「えっと、こっちが小説家の人? ほらぁ、やっぱりぃ。そういうのわかるんだよ、とびないさん」
とびないさんの一人称は俺でも僕でも私でもなく、〝とびないさん〟です。とびないさんは、我々を通すやいなや、間髪入れずに喋り倒します。『どういう目的で来たのか』とか、『青森のどこに行ってきたのか』というお約束の話題は、笑ってしまうほど一瞬で終わり、たちまちご自身や旅館にまつわる話にシフトします。
「庵野監督はね、シン仮面ライダー観た? とびないさん観てないの。シン・ウルトラマンあったじゃん、その前のシン・ゴジラもねぇ~」
などと、創作へのこだわりが強い発言が目立ちました。話の端々でこちらにも話を振ってくれるので、会話にはなっているのですが、それゆえ聞き流すことができません。
しょっぱなからなかなかハードだぜ……!
それに普通、旅館といえば到着すると客間でお茶菓子を出されるようなことがあったとしても、割とすぐに部屋に通してもらえると思うんです。
でも我々は到着してすぐに客間のような謎の部屋に通され、こだわりのドリップコーヒーでもてなされつつ、そこで延々ととびないさんとおしゃべりしています。
一体、いつ部屋に案内してもらえるのだろう。
めちゃめちゃしゃべるっていうのは事前情報で知っていたけど、すこしくらい部屋で落ち着いたりすることはできないのだろうか……
そんなことを思いながら、それでも楽しいおしゃべりに花を咲せること一時間半。時刻は19:30を過ぎていました。
痺れを切らしたのか、ついに益荒男MOCCHANが切り込みます。
「あの~……ごはんっていうのは、その~」
そういえばMOCCHANは電話で予約した際、「ごはんどうする? いらないよね~外で食べるよね~」とあわや飯抜きの方向に行きそうになったといいました。慌てて名物料理の芋すり餅を食べたい旨を伝えるとちょっと残念そうに「は~い」と返事したそう。
「あっ! そうだったね、言ってよ~。じゃあ、買い物に行こうか。あっ! もうこんな時間じゃん、スーパー閉まっちゃうよ! 20時までだかんね」
全部、知らん情報。
っていうか、買い物したんじゃ……玄関で待たされたあの時間はいったい……
「とにかく急ごう! すぐ目の前だから間に合うよ!」
なぜ我々は雨の中小走りでスーパーに向かっているのだろう。旅館について、一息もつかないまま、小走りで……
そうして、ジャガイモや煮干しなどの食材を調達したわけですが……
「ねえ、ほら、この人、小説家なの。もしかしたらすっごい売れるかもしれないから、サインとかもらっといたほうがいいよ~」
などと店員に話しかけたりして、フレンドリー……かと思いきや、店員の青年は引きつった笑いを浮かべるだけで困った表情をしていました。ちなみに最東も同じ顔です。
ん、常連客だから顔見知りの店員に話しかけてるんじゃないのか?
明らかにその店員からは、とびないさんとの距離を感じました。いや、お腹痛かっただけかもしれない。
そうしてどたばたととびない旅館に戻ると、「ゆっくりしてて~」とまた謎の客間に通され、料理を待つことになりました。え、まだ部屋に案内してもらえないの?
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