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嗤う旅福井県③ 死者が漂着する神の島・雄島

福井県怪紀行② 異界への入り口・ワンダーランド・東尋坊

■島へ導く紅い橋

東尋坊から雄島はそれほど離れていません。車でいけばすぐですし、根気があれば歩いて行くことも可能でしょう。

そもそも、雄島そのものを知らなかったとしても、東尋坊から厭でも見えます。

紅い一本の端が異様に目立つので、誰だって気になるでしょう。

生憎、私が訪れた時は快晴ではなく空はやや灰色かかった曇り空でした。

そのせいか、暗めの空に真っ赤な橋がやけに目立ちます。

この橋は『雄島橋』といって、この手前までは車で行けますが、橋自体は徒歩か自転車でしか渡れません。

海に直接かかっている橋なのに、欄干は大人の背よりも低く、揺れたりはしませんが橋の上を歩いているだけで不安な気持ちになります。

そうして雄島橋を渡り終えると、島の入り口には鳥居が待ち構えていました。燈篭に狛犬が出迎え、思わず委縮してしまいました。

鳥居とは通常、神社の入り口にあるものです。それが島の入り口にでん、と聳えているのですから異様というほかありません。

一礼をして鳥居をくぐると、絵馬掛けがあり、その奥には急な勾配の階段がありました。

つまり、雄島は『島そのものが神社の敷地である』ということなのです。

そして、雄島にはもうひとつ曰くがあるのでした。

■福井県最恐の心霊スポット

ここを訪れればわかることですが、夜は絶対に来たくない場所です。

なんか見つけたので貼っておきます

橋にも島にも電気がないので夜になれば漆黒の闇に覆われるでしょう。そして雄島は神聖な場所ですので無人です。

結構な段数のある階段を上りきり、左に進みます。

この島に上陸したら『時計回りにしか回ってはいけない』というルールがあるのだそうです。……とはいっても、そんなことは案内板には書いていませんが。

ではなぜそんなことを私が知っているかというと、そもそも私たちが雄島に訪れたのは、雄島が福井県でも有名な心霊スポットだったからです。

インターネットで調べたところ、なんでも雄島には東尋坊で身投げした自殺者の死体が流れ着くとのこと。神の棲む島ということで、死者が救いを求めてここに流れ着くという話ですが、事実関係は不明です。

いくつものサイトに、雄島について『やってはいけないタブー』というものが載っていました。(最東が参考にしたのはこちら)

簡単にまとめると以下の通り。

・雄島橋で引き返してはならない

・雄島を反時計回りで回ってはいけない

・雄島隧道で仏像と目を合わせてはいけない

いわゆる〝禁忌〟というものです。

これらの禁を破ると、死が訪れる……。めちゃくちゃ怖いじゃないですか、神社なのに!

下調べでそれだけは知っていたので、(正直半信半疑ですが)禁忌を破らないよう橋を渡り、時計回りに島を進みました。

辛うじて道がある、としか表現できない山道を進んでいくとすぐ、ぼろぼろな家屋が現れました。玄関横の板には『大湊神社社務所』とあります。

とても今も使われているとは思えないほど不気味で古い家屋ですが、ガラスも割れていないし、朽ちているわけでもないのでもしかするとたまに使っているのかもしれません。

ここにだけは絶対に泊まりたくない、という強い意思が湧く館でした。

さらに進むと、おそらく雄島の中心で『大湊神社』の本体である社殿が現れました。

どういうわけか海に向けて赤い鳥居が立っています。

当然、なんらかの意味はあることと思いますが昼間でも充分怖い。

ですが、そこから望む景色は絶景でした。

思えば京都の清水寺なども、神様に向けて外へ舞台が作られているのと同じで、ここからの景色は神様に捧げるためのものなのでしょうか。

社殿に近づいてみると、戸(というか扉というのか)は閉め切られていて中はわかりません。インパクトはありますが印象は地味です。

……と思っていると、閉め切られた社殿に覗き穴があることに気づきました。

おそるおそる覗いてみると――

中には神棚があり、提灯やお神酒が祀られています。

こんなこと思ってしまうと罰が当たるかもしれませんが…………怖い!

もう、横溝正史の世界です。今にも得体のしれない村人が現れて、得体のしれない風習に則って奇祭がはじまりそうな、すごい光景がそこにはありました。

あまりの威圧感に、内部の写真は一枚だけに留めました。

是非、実際に訪れた自分の目で確かめてみてください……。それだけの価値はあります。

■雄島隧道

とはいえ小さな島。

一周ぐるりと回るのにそれほどの時間は要しません。

社殿を過ぎればあとは海蝕崖があらわれ、ごつごつとした全体像が見えてきます。

島に上陸してから誰とも会わず、今雄島にいるのは私たちだけかと思いましたが海が見えるようになると釣り人の姿もちらほらと見かけました。(そして普通に逆行して帰って行きました。反時計回りじゃん!)

地元の人からしてみれば、心霊スポットというより釣りスポットなのだろうなあという印象です。いつでも勝手に怖がっているのは、そこに住処を持たない我々県外の人間なのでしょう。

その後、瓜割の水にがっかりしたりしながら、通せんぼをするかのように枝を顔の高さに伸ばす木々や、歩き心地の悪い道なき道を進みます。

途中、灯台があると書いてあったのですがそれっぽいものは見つけられませんでした。

(灯台というには小さすぎるそれっぽいのはありましたが……もしかしてそれ?)

毎日、島を一周すればいい運動になるだろうなぁ、などと考えている内に一周した私たちは、再び雄島橋を渡って島を後にしました。

そして帰路に着くため、車に乗り込んだわけですがすぐそばに小さなトンネルがあります。

駐車場からも見えていて、雰囲気のあるトンネルだなぁ、と思っていたんですが丁度帰りのルートで通ることになりました。

トンネルの入り口には『雄島隧道』とあります。

実はこの時、最東はピンと来ていませんでした。しっかりとサイトには書いてあるのに。

「すげえすげえ、このトンネル怖いっすねー!」

とはしゃぎながらトンネルを抜けようとした時、唐突に脇に逸れる通路が目に飛び込ました。そしてその奥には仏像らしきものが。

「あれっ、今仏像ありましたよ!」

イマムは見逃したらしく、マジすか?と繰り返していました。

車から降りて徒歩で行ってやろうかと思いましたが、東尋坊、雄島と訪問して疲れていたのと、ふたりともなんだか乗り気でなかったので隧道の仏像は近寄らずに帰りました。

帰ってから……というより、むしろこの記事を書くにあたり再度禁忌を確認して気付きました。

『雄島隧道の仏像と目を合わせてはいけない』

もし、あの時ふたりともノリノリで車を停めて雄島隧道に入っていたら……確実に仏像と目を合わせていたでしょう。

それでどうなっていたかは、わかりません。

でもあの時、散々怪奇なものばかりを見てはしゃいでいた僕たちが、唯一雄島隧道の仏像だけは確かめなかった。

それがすべてを物語っているような気がします。

きっと、私たちは〝呼ばれていなかった〟のでしょう。

はじめしゃちょーが行ってたみたいですね。

■まとめ

福井県怪紀行と題して、越前大仏、ワンダーランド、東尋坊、雄島と巡ってきたわけですが、率直に感想を述べると……福井は面白い。

まず魚介がおいしいし、ソースカツ丼もそばもおいしい。

……とか、そういうことじゃなく。

海がね、怖いんです。なんだか、綺麗な海、というより海の巨大さと恐ろしさを叩きつけてくるような、威圧感がある海なんです。

かと思えば、山もすぐそばにあって土地も広大。

異世界にトリップした感じを味わえる場所でした。

というのも結局、私たちが〝そういうつもり〟でやってきているからであって、普通、福井観光で越前大仏やワンダーランドは行きません。勝手に面白がって怖がっているのは私たちなのですが。笑

ともあれ、またいつか訪れたい不思議な場所なのは間違いありません。

次はいつ訪れることができるかわかりませんが、ワンダーランドにはもう一度、人がいる時にリベンジしたいですね。

どうやら予約をしておくといいようなので、次回はそうしようと思います。

忘れないよう、その時はこの記事を読み返さなければ。

この記事をお読みのみなさんも福井県三国ワンダーランドを訪れる際は、必ず予約をしましょう!

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