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怪僧ラスプーチン / 予言者はかくに語りき

公開日: : おもうこと, ホラーについて

 

ラスプーチン

 

 

■ロマノフ朝を滅ぼした怪僧

 

 

 

どうも最東です。

 

 

当ブログでも史実に残されている怪しい人間はいくつかご紹介しました。

 

 

サンジェルマン伯爵もその内のひとりです。

 

 

今回ご紹介するグレゴリー・ラスプーチンは、サンジェルマン伯爵に迫るか勝るかの怪しい人物。

 

 

自らを【神の使い】と称するまさに怪しい人物ですが、残されている記録は彼が宗教の教祖のようなものではないということがわかります。

 

 

もはや何者かもわからない、普通ではない人物……いや、もはや人間なのかどうかも怪しいものです。

 

 

 

■彼は普通の男から突然怪僧となった

 

 

 

1871年

 

 

ラスプーチンは、シベリアの村で農夫の子として生を受け、20歳で同じ村の娘と結婚したごく普通の男だったといいます。

 

 

ですが、彼は唐突に親や妻に「私は巡礼の旅にでる」と言い残すと村を出たと言います。

 

 

巡礼の旅と彼はいいましたが、前述の通り彼は村の農夫の子。神の教えや教育など受けているはずもありません。

 

 

なので残された彼らは不思議に思ったそうです。

 

 

しばらくして帰郷したラスプーチンの姿に、誰もが衝撃を受けました。

 

 

彼の妻さえも一目で夫だとは解らないほど、彼は変貌してしまっていたのです。

 

 

■ヒーリングと呼ばれる魔法で地位を確立する

 

 

 

幼い頃から一種の透視能力を有していたとされるラスプーチンは、巡礼と言って徒アスフォン修道院をはじめ、トルコ、シリア、エルサレムを次々と訪れました。

 

 

そして巡礼から帰った彼は、病を治すヒーリング能力を身につけたのです。

 

 

それは奇跡とも魔法とも言われましたが、彼自身はこれを「祈祷」であると言いました。

 

 

如何なる難病ですらも治してしまう彼のヒーリング能力は、瞬く間に評判となりそれは皇帝の耳に入るまでになったのです。

 

 

ラスプーチンの操るヒーリング能力を聞きつけた皇帝には幼い息子、皇太子アレクシスがいました。

 

 

アレクシスは血友病に掛かっており、名医ですらも手の施しようがないとさじを投げるほど重度の病でした。

 

 

そこにラスプーチンの噂を聞いたわけですから、皇帝が黙っているはずがありません。

 

 

すぐにラスプーチンを呼びつけると、アレクシスにヒーリングを施すように命じたのです。

 

 

するとラスプーチンはアレクシスをいともたやすく治癒したのでした。

 

 

アレクシスを治癒した一件で皇帝夫妻から絶大な信頼を得たラスプーチンは国政に関わる発言権を持たされるまでの権限を与えられ、“影の皇帝”と呼ばれるようになったのです。

 

 

■ロマノフ朝の滅亡と自らの死を予言

 

 

 

絶対的な権限と皇帝からの信頼を得たラスプーチンは、宮廷での存在を確固なものにしました。

 

 

ですがそんな彼を快く思わないのは皇帝を除く大臣や国政の人間達。

 

 

影の皇帝と呼ばれているラスプーチンが実質的な政権を操っているのではないかと言う推測もされ、徐々に彼は危険視されることとなるのです。

 

 

宮廷では彼を盲目的に信仰し、崇める女性たちがハーレムを作り、いよいよ僧侶らしくないと言われるようにもなりました。

 

 

そんな中、ラスプーチンは自らの生命に関わる危機すらも予言します。

 

 

『私は1月1日までに殺される。私を殺した者が農民やいち市民であればロシアは揺らぐことなく安泰でしょう。ですがもし、私を殺した者、殺しを首謀した者の中に皇帝陛下の一族の方がおられれば、私の死後、皇帝陛下とご家族は無残な最期を遂げることになりましょう。それはロシアにとって長く続く血の歴史の引き金になるのです』

 

 

当然ながらこの予言を残した時、彼は生きています。

 

 

生きている彼自身が自分の死のみならず、死の後に起こる恐ろしい未来も予言したのです。

 

 

その不気味な予言はやがて現実のものになります。

 

 

 

■死なない怪僧

 

 

 

1916年12月29日。

 

 

皇帝一族のひとりであるユスボフ公とその従兄弟のドミトリー大公はラスプーチンを晩餐に誘い込み、彼の食事に青酸カリを盛りました。

 

 

青酸カリとは言わずと知れた猛毒です。つまり、ユスボフ公とドミトリー大公はラスプーチンの暗殺を共謀し実行に移したのです。

 

 

ですが、ここで予想外の出来事が起こりました。

 

 

青酸カリのたっぷり盛られた料理を全て平らげたのにも関わらず、ラスプーチンは苦しむどころかなんの変化もなかったのです。

 

 

これには事情を知る周囲の人間は驚愕し、しばらく見守るしかなかったようです。

 

 

そして食後の御祈りを捧げていたラスプーチンを背後から重い鉄の蝋燭台で頭蓋骨が砕けるまで殴打し、さらに拳銃で首や心臓に四発もの銃弾打ちこまれました。

 

 

そこまで凄惨な手段でラスプーチンの暗殺を謀ったのにも関わらず、ラスプーチンでしたがぐったりはしているもののまだ脈があったと言います。

 

 

恐ろしくなった彼らは絨毯で簀巻きにしたラスプーチンを凍てついたネヴァ川に穴をあけ、その穴の中にラスプーチンを投げ込んだのです。

 

 

 

■ラスプーチンの死と滅びの運命

 

 

 

数日後、ラスプーチンの遺体がネヴァ川から上がり、死が確認されました。

 

 

死因は【溺死】。

 

 

つまりラスプーチンは川に投げ入れられた時はまだ生きていたというのです。暗殺の際に行われた殴打や銃撃、毒が致命傷にはならなかったということ。

 

 

その事実を知った首謀者たちは戦慄したといいますが、ともあれラスプーチンの死に彼らは安堵したのでした。

 

 

ですがラスプーチンの死後、ロシア革命が巻き起こり皇帝一家は一人残らず惨殺され、ロマノフ朝は彼の予言通りに滅亡したのです。

 

 

ロシア革命では実に多くの血が流れ、多くの人間が死にました。

 

 

これをただの予言だといえるでしょうか? 怪僧ラスプーチンの遺した【最後の魔法】だったのかもしれません。

 

 

※余談

 

ラスプーチンは巨根としても有名で、彼の生前女性たちが彼を盲目的に支持したのはその巨根に恥じない超人的な精力にあると言われています。

 

 

真実のほどは解りませんが、彼の33センチ大もある巨大な男性器は、ホルマリン漬けにされサンクトペテルブルグにある博物館に保管されています。

 

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