深層web。闇のホラーゲーム 『sadsatan』/ 怪奇夜話
■深層webとは
どうも最東です。
唐突ですが、深層webという言葉をご存知でしょうか。
ディープウェブとも呼ばれているこれは、検索エンジンには引っかからない深層にあるサイトやコンテンツなどのことを差します。
私達の最も身近なものとなったインターネット。
当サイトでも度々ネットにまつわる怪異や都市伝説などをご紹介しましたが、私も今回の記事を制作するにあたって初めて知った世界です。
謂わば、インターネット界でのアングラ……。いえ、それよりももっと深い深い闇の部分にあるものだと思っていただいていいと思います。
ディープなインターネットウォッチャーの中には、これらの深層webと呼ばれるコンテンツを閲覧するのが趣味だという人も少なからずにいるといいます。
今回ご紹介するのは、そんな深層webに存在する【とあるゲーム】について……です。
■製作者不明。制作意図不明。クリア条件不明。
昔から、人間は【訳の分からないもの】や【理由の分からないもの】というものは理屈抜きに本能で恐怖を感じると思います。
当サイトでも、【ジャパニーズホラー】と【洋物ホラー】の恐怖はどのように違うのか? という考察を『ジェイソンと貞子』という分かりやすいシンボルを立ててご紹介しました。
恐ろしいものとして、じんわりとやってくるものが和ホラー。
びっくりさせて怖がらすのが洋ホラー……というイメージだとお話したかと思います。
つまり、外国のホラーの定義というものが所謂モンスター系のホラーに近いのですね。
悪魔崇拝などの文化があることから、日本でいう幽霊や妖怪と同じくらいの市民権を得ている悪魔と言うコンテンツ。
ある意味でこれは日本の幽霊文化……、ジャパニーズホラーに近いものなのかもしれません。
派手さはあるものの、映画『エクソシスト』などもその部類に入るのではないでしょうか。
さて、前置きが長くなりましたがここでご紹介するのは『sadsatan』と呼ばれるフリーゲームです。
このゲーム、爪先から頭まで徹頭徹尾謎に包まれており、なぜ存在するのかもわかっていません。
まず『sadsatan』と呼ばれているこのゲームですが、これは正式なタイトルではありません。
正式なタイトルは不明なのです。
このゲームがこのように呼ばれているのは、ダウンロードした際ファイル名に明記されているから、ということから。
さらにこのゲーム、製作者も制作意図も、クリア条件、ゲームオーバーの条件なども不明でただ不気味な空間を歩くだけのゲームとということしか分かっていません。
暗い廊下に夕闇が差す空が覗き、そこを歩きまわるだけ。
ですが、ただ空間を歩くだけのゲームがなぜこんなにも恐ろしいのか。
それは意味不明なBGMや効果音などにあります。
もちろん、それと併せて演出もまったくの意味不明。
突然、女性の叫び声や男性の話声。ラジオのテープが狂ったような音調狂った歌。
吐息、足音。
かと思えば、突然目の前に少女が立っていたり、四方を丸いなにかを施された壁に囲まれる部屋に突然飛んだり、とにかく気味が悪いのです。
壁を見ているだけの男や、俯いている女の子。
空いているクローゼットに、廃墟のように欠けた天井屋根。
精神世界としか言えないこのゲームをプレイしていると、なにか不安になってしまいます。
また、このゲームをプレイするたびにデスクトップに謎のテキストの羅列が配置されており、組み込まれたプログラムとはいえ不気味さは止まりません。
■恐怖・不安・悪夢・倒錯
先ほど和ホラーと洋ホラーについてお話したかと思いますが、なぜその話をしたのか。
このゲームはひたすら不安を煽り続けるゲームであり、別段なにかが起こったり、プレイヤーが殺されたりなどという演出はありません。
ただ、プレイしているだけで異常に不安になるのです。
長時間していると恐らく精神的に不安定になってしまうのではないかと思うほどに。
この湿り気のあるホラーテイストという点が、実に和ホラーに酷似しているのではないかと思うのです。
海外のユーザーにも似た感覚の人間がいて、その人間が怖がらせたくてこのゲームを制作したのか。
または全く違う意図があってのものなのか。
真相はわかりませんが、【なんの意図もなくふざけて制作されたゲーム】だと思いたいところです。
グラフィックは荒く、数世代前のゲームを彷彿とさせますが、この粗さが余計に不安感を煽り、どこまでも終わりがなく続く暗夜の世界を探訪する気持ちは、廃墟探訪にも似たものがあるのではないでしょうか。
今のところ、この『sadsatan』をどうすれば遊べるのかはわかりませんが、深層webの世界に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょう。
人が抱える【得体の知れないもの】に対する漠然とした恐怖が、このゲームには詰まっており恐らくはこの先もずっと【得体の知れないまま】存在し続けてゆくのだと思います。
しかし、なによりも私が恐ろしく感じるのはこのゲームの【意味不明さ】に、本当は【意味があった】としたら……。
もしそうならば、なにかのルールや目的のために作ったことになります。
こんな気味の悪いゲームを作った意図があるとすれば……考えたくもないですね。
みなさんは深層web、興味がありますか?
スポンサードリンク
関連記事
-
怪紀行愛知・少年時代が襲い掛かる!天野ゲーム博物館
■実はゲーマー どうも最東です。実はゲーマーです。 ……とか言ってますけど、も
-
奈良洞泉寺・東岡遊郭跡をあるく
■古都・奈良に佇む遊郭 どうも最東です。 ここのところまたリポート記事がご
-
ホラー小説 / ゴミ 2
■金曜日のゴミ 「はい……ええ、そ
-
怪紀行香川・真っ当な観光名所 銭形砂絵&銭湯isリノベーション 藝術喫茶清水温泉
■香川に行ってきたょ どうも最東です。 島はいいですね。突然ですが。
-
もっとも巨大なミステリースポット /ウィンチェスター・ミステリー・ハウス
■ミステリースポットとは &nbs
-
変顔 / ホラー小説
■これは誰の顔? 朝起きて、洗面所
-
【ブログ小説】ひとり10万円 5
-4-はこちら 5
-
瞬きなら良い/ホラー小説
■意味不明なジンクス 目を
-
心霊生配信 / ホラー小説
■心霊スポット
スポンサードリンク
- PREV
- 心霊生配信 / ホラー小説
- NEXT
- グリーンインフェルノ / 食人族 レビュー